(2010年9月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ドイツは良い危機を経験している。資金の逃避先としてのドイツ国債に対する需要のおかげで借り入れコストが史上最低を記録する一方、ユーロ安に助けられて輸出が急増し、経済が力強く成長しているからだ。
だが、欧州の多くの周縁国にとっては、かなり違う物語となっている。アイルランドでは8月31日に、国債のスプレッド(指標となるドイツ国債に対する上乗せ金利)が過去最大を更新した。ポルトガルとスペインでも、スプレッドは依然、過去最大に近い水準で推移している。
ドイツ国債に対するアイルランド10年債のスプレッドは、過去最大の3.57%に達した(年初は1.45%だった)。同様に、スペイン10年債のスプレッドは1.92%(同0.57%)、ポルトガルのスプレッドは3.33%(同0.67%)となっている。
ギリシャ国債のスプレッドはもっと大きいが、ギリシャ政府は今後2年間は民間市場からの資金調達に頼らずに済むため、少なくとも現時点では、こうした問題に直面していない。
拡大する借り入れコストの差、ドイツの競争優位は歴然
ドイツ企業は今、記録的に安い借り入れコストとユーロ安の恩恵にあずかっている(写真はドイツ東部のツウィッカウにあるフォルクスワーゲンの工場)〔AFPBB News〕
しかし、拡大傾向にある借り入れコストの差は、16カ国から成るユーロ圏の中で比較的弱い国、特にアイルランド、ポルトガル、スペインが、ドイツのような復活を遂げる国と競争するのが難しくなるとの懸念を呼んでいる。
アイルランド経済の成長は極めて弱々しく、デフレに陥りそうな気配さえある。やはり成長が弱々しいスペインとポルトガルの経済も、似たような状況にある。
政府の借り入れコストの高さは、法人向けの貸出金利を上昇させたり、国家財政をさらに圧迫したりして、経済に悪影響を及ぼす。
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