日本人は、多くの本が売れる、学ぶことが好きな国民です。質の高い学習機会は、きっと多くの人の役に立つはずです。

 最後に、たった3年でここまで進化したMOOCが示していることは何かをまとめてみました。

知の集積は英語で進展している

 第1に、MOOCのような素晴らしい学習機会を活用するための英語の必要性です。MOOCに限らず、学術論文はほぼすべて英語です。また、世界中の政治、経済、社会の情報は英語でやり取りされています。

 知の集積は間違いなく英語で進展しています。言い尽くされたことではありますが、英語ができるかできないかで、アクセスできる情報に格段の違いが生じます。

 第2に、言葉だけでなく、思考方法、コミュニケーション・スタイルも西側が当面主流であり続けるだろうということです。

 今のところ、米国をはじめとする西側の大学を超える教育機関は現れそうにありません。教育を制する者が、思考方法の主流も押さえます。世界で活躍するためには、西側の思考方法とスタイルが有利であることは当面変わらないでしょう。

 第3に、日本人の教育のあり方です。すべての人が国際人になる必要はないでしょうが、やる気と能力のある人を勇気づけ、サポートする体制は必要なのだと感じます。教育の自前主義に固執するのではなく、海外の優れた教育機会を活用していく大胆さが有用ではと感じます。

 MOOCがこうした課題に対する解決策になるわけではありませんが、何らかの役には立つと思います。我々ユーザーとしてはMOOCが質の高い内容を提供している限り、使う価値があります。興味のある方はぜひ試してみることをお勧めします。