そして、別のスタンフォード大学の教授が2012年に立ち上げたのがCoursera。マサチューセッツ州にあるマサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学がパートナーを組んだのがedXです。その後、米国と世界中の一流大学が続々と参画して、コースが数百へと充実されました。

MOOCでできること、できないこと

 MOOCでできることは、講義を聞いて、知識をつけることです。一方、知識は教育のほんの一部でしかなく、MOOCでは、話し合いを通じた思考方法の鍛錬、教室に人が集まることによる教授、生徒たちの相乗反応、コミュニケーション・スキルは身につきません。

 また、MOOCの学位、成績は社会的認知を得られていません。このようないくつかの点で、正規の大学教育を完全に代替することはできません。

 しかしながら、質の高いオンラインコースは次のようの人たちにはとても役に立ちます。

MOOCは学習意欲の高い留学予備軍や忙しい社会人に最適

 まず、海外の教育に興味がある人や留学の準備を進めている人です。

 MOOCを聞いてみれば、海外の教育の雰囲気は伝わりますし、知識も身につきます。英語の勉強にも適しています。講義内容が英語で分かれば、現地の授業も何とか分かるはずです。留学前に、関連分野の下準備をしておくのにも役立ちます。

 次に、忙しい社会人です。

 自分の仕事分野、例えばマーケティングとかファイナンスとかについて、その役割や手法を体系的に捉えることは、仕事の理解度を高め、人材としての価値も引き上げます。

 さらに、仕事と関係なく、自然科学や社会の成り立ちなど、大局的な知識を得れば、視野や考え方の幅が広がるでしょう。