「我が国を護るのは我々日本人自身だ」という設問に対し、どのように答えられるだろうか。
「当然のことである!」と普通の日本人なら誰でも即答するであろう。しかしながら、「どの様に護るのかまた何を護るのか」について明確に答えられる人は(私自身もそうであるが)非常に少ないのではないか。
そこで、日本の「何を護る必要があるか、何が大切であるか」を本論の展開を考えるうえで、日本国の特徴と国柄をおさらいしてみたい。
以下、浅学非才を省みず私の得意とする独断と偏見で、思いつくままに日本の特徴を書いてみる。
●『古事記』『日本書記』が編纂されて以来、日本国には書籍に残るものでさえ約1300年の歴史があり、一貫して天皇家が日本民族の中核家長として尊崇され続けて来た(今年は皇紀2674年)奇跡的とも言える世界最古の一民族国家である。
●国土の約7割は山岳地帯で耕地面積は少なく、食糧自給率は40%しかない。
●国土は温帯地域に存在し、四方海に囲まれた海洋国家で、春夏秋冬の四季の変化に富む。
●活発な火山帯の上にあってユーラシア大陸と太平洋の接線に位置する南北に長い列島国で火山活動・台風・大雪などによる自然災害多発国である。
●世界陸地の0.25%ほどの島国(約38万平方キロ)でほとんど天然資源を産出しない国土に世界の人口の2%程度(約1億2800万人)の民が居住し、世界の富の17%を産み出す高効率な近代国家である。
●古来、国民は識字率が高く勤勉で、争い事や犯罪が非常に少ない社会を形成してきた。
●宗教は多神教的で大半の国民が神仏を崇拝するが、表面上日々の生活までの関与は少ない。
●政治体制は強権を発動する独裁的な型式を好まず、ソフトな集団合議で運用されてきた。
●国家存亡の危機が迫ると、国民の多くがその危機意識を共有し一致団結して恐るべき力を発揮する(例えば元弘弘安の役、日清戦争、日露戦争、大東亜戦争、戦後の復興、阪神淡路大震災、東日本大震災への対応などがある)。
●最近、世界トップクラスの長寿国となり、歴史上類を見ない少子高齢化社会に突入している。