今週は中国の汚職撲滅に関する記事が1位だった。英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙の「中国の『トラ退治』が失敗に終わる理由」である。筆者はアジア版編集長のデビッド・ピリング氏。
中国の汚職撲滅キャンペーンが失敗する理由
実はこの記事は周永康・元政治局常務委員に対する調査を中国共産党が発表する前のものだ。
FT紙がこの記事を書いてから数日後に中国は「大トラ退治」を発表したわけである。
ピリング氏の見立てでは、中国のトラ退治は失敗する。その理由は、トラ退治が1つに民主主義の手法で行われるのではなく、中国共産党内の権力において行われるために透明性が担保されないためだ。
そしてもう1つの理由は、粛清が公平に行われることがなく、一部のトラたちは私財をせっせと蓄え続けることになるため、国民の不満が解消されることはないという点である。
この見立てが正しいとすれば、周永康氏の粛清がどのような結末を迎えるのか、中国に目が離せなくなっている。
今週の2位はこうした汚職撲滅キャンペーンの一方で中国国内で激しさを増している反日キャンペーンを扱ったもの。
古森久義さんによる「見境なく日本を叩く中国、今度は日本人戦犯の“告白”を公開」である。
日本をあの手この手で悪者にしようという中国政府の意図には辟易させられるが、米国のメディアでもさすがにやりすぎという声が増えているとこの記事は指摘している。
韓国についても同じことが言えるが、こうした度のすぎた反日キャンペーンは決して実を結ばない。
もし、日本を超える実力が中国や韓国にもあるのだとしたら、嘘をつくことは自らの評価を低めることになるからだ。つまり、中国も韓国も、日本という国を超えられそうにない口惜しさをこうした行為で晴らしているとも言える。
さて、今週は3位に「W杯=セルジオ越後氏が辛口提言」が入った。この記事はブラジルのニッケイ新聞が伝えたものだ。残念ながら、海外の日系紙は7月末をもってJBpressへの掲載をやめることにした。ほとんど読まれてこなかったためである。