消費税増税から家計を守る奥の手は
食べ物を「捨てない」こと

食の社会学(第7回)

2014.03.24(Mon)菅 慎太郎

 けれども、筆者が本コラム(「『食の正論』で家庭は崩壊~超現実的食育のススメ~」)でも記したように、忙しい現代人には「手間をかける」物理的時間がない。

 確かに「飾り包丁」「隠し包丁」など、包丁一つの扱い方で料理はグッとおいしくなる。だが、何も包丁に固執する必要はない。新しくて便利なキッチン道具やツールを積極的に活用し、「楽しく」そして「効率的」に、食品ロスを減らせばいい。

 大根にしても下手に「包丁」を使うより、下ごしらえでは「ピーラー(皮むき器)」などの道具を使えば、食べられる部分をもっと多く残すことができる。もちろん皮の部分だって、きんぴらに調理したり、葉の部分は細かく刻んで味噌汁の具やふりかけとしても利用できる。工夫すればするほど、食材が使われ、そして変化していく。核家族化が進み食の知恵が継承されにくい現代では、ネット上のレシピサイトなども食材の無駄をなくす心強い味方になるだろう。

 調理の楽しさは「工夫すること」にあると言ってもよい。そんな、ちょっとの手間によって、消費税増税分をカバーできるほど、目の前の食材を救うことができるのだ。そもそも食材をぞんざいに扱うのは、命を粗末にすることにも等しい。

 「工夫」は面白さの源(みなもと)だ。自分の手で食材が料理に変化していき、それを食べることができるのは、なんと面白いことか。夢中になって、楽しそうに料理をする姿。それを見る方だってもちろんワクワクする。だから、食育の原点はやはり「一緒に作る、一緒に食べる」ことなのだと思う。

いかがでしたか?
JBpress をブックマークしましょう!
Twitterで @JBpress をフォローしましょう!
Facebookページ に「いいね」お願いします!

この連載記事のバックナンバー
トップページへ戻る