目指すのはイタリア、
「食の国」日本に必要な輸出戦略とは?

空前の和食ブームを追い風にせよ

2014.03.07(Fri)白田 茜

 日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によると、「食」の人気が一番高いのは日本、2位はイタリアだという。だが、「日本食の人気が輸出に結びついていない」という指摘もある。

 イタリアの農林水産物輸出の状況を見てみると、2011年度の輸出額は434億ドル(日本円換算で約3兆4679億円)で、日本の輸出額51億ドル(2011年度、ドル換算)と比較すると規模がまったく違う。イタリアが主に輸出しているのは、ワイン(61億ドル)、パスタ等(27億ドル)、チーズ(27億ドル)、ピザ・ワッフル等(18億ドル)、オリーブオイル等(16億ドル)といったものだ。イタリアの食文化そのものを輸出しているような印象を受ける。

 日本も和食ブームを受け、味噌・醤油など和食文化を代表する食材を中心に輸出を伸ばそうとしている。しかし、日本の輸出総額51億ドルのうち、味噌・醤油等は3億ドル、日本酒は1億ドル、茶は0.6億ドルに過ぎない。和食を代表する食材が占める割合は決して多いとは言えない。

 そこで、政府は「日本『食』の基軸となる食品・食材を、食市場の拡大が見込まれる国・地域へ輸出することで、2020年までに1兆円目標を達成」すると新たに目標を定めた。

 同時に、2012年から2020年にかけての重点品目の輸出目標額を定めた。水産物を1700億円から3500億円に、味噌・醤油などの加工食品を1300億円から5000億円に、米・コメ加工食品は130億円から600億円に、りんごなどの青果物を80億円から250億円に、牛肉を51億円から250億円にするという。

 しかし、課題も多い。立ちはだかるのが、原発事故に伴う輸入規制や輸出先の国が輸入の際に求める認証制度などだ。農林水産省の資料によると、2014年1月24日時点で、37の国・地域から原発事故による輸入規制を受けている。

 特に厳しい規制をしているのが韓国と中国だ。韓国では、日本の13都県で産出した野菜類などが輸出停止になっている。また、16都県のすべての水産品については、韓国の放射性物質基準に適合することの証明を求めている。また、中国では、10都県で生産された全ての食品と飼料が輸入停止になっている。

 ただし、輸入規制が緩和される動きもある。EUでは輸入規制を見直し、東京都と神奈川県については、放射性物質の検査を義務づける規制を解除した。その他、カナダや豪州など13の国・地域で規制が解除されている。

 一部の国から規制が解除されつつあるものの、原発事故の影響がいまだに影を落としているというのが大きな構図だ。

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