今や、日本から海外への輸出は、対アジアが72.8%で大部分を占める。次いで北米16.5%、ヨーロッパ5.9%となる。国・地域別に見ると、日本最大の輸出先は香港。次いで、台湾、中国、韓国、タイ、ベトナムと続く。これまで日本の最大の輸出先は北米だったが、2009年に香港に取って代わられた。
農林水産省が2014年2月12日に発表した、2013年の農林水産物と加工食品の輸出額(速報値)は、前年比22.4%増の5506億円で、29年ぶりに過去最高を更新した。
和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことや、和食ブームを追い風に伸びたという。特に経済成長が続くアジア地域への輸出が大きく伸びている。味噌・醤油、日本酒などの和食関連の商品が伸びたほか、ホタテやりんごなどの農林水産物も好調だったという。
2012年までの農林水産物の輸出額は以下の通り。2007年をピークに伸び悩み、震災の2011年以降は減少傾向にあったことが分かる。2013年に久しぶりに好転し、過去最高を更新した。

(参考:農林水産省作成資料をもとに筆者作成)
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「和食材」が鍵を握る日本食品の輸出拡大
日本は少子高齢化で人口が減少局面に入り、国内市場の規模が縮小する中、新たな市場の開拓が喫緊の課題になっている。地方自治体や食品メーカーも和食ブームを追い風に輸出を拡大しようとしている。このような動きを受け政府も本腰を入れ始めた。今や官民を挙げて輸出拡大をしようとしているのだ。
政府は「21世紀新農政2006」で農林水産物(加工食品含む)の輸出額を2009年に6000億円とする目標を掲げていたが、期待していたほどには伸びなかった。