目指すのはイタリア、
「食の国」日本に必要な輸出戦略とは?

空前の和食ブームを追い風にせよ

2014.03.07(Fri)白田 茜

 食品が国境をまたがって流通をしている現在では、東南アジアの各国政府やイスラム団体が「ハラル認証」を始めている。生産地から消費者までのすべての製造流通過程を情報公開し、第三者機関が監査し認められなければならないといった厳しい内容だ。

 日本でハラル認証を受けている企業は、キユーピーや味の素など。熊本県のゼンカイミートは日本国内で初めてハラル認証された牛肉を扱っている。日本ではハラル認証を取っている企業はまだ少ない。

 認証取得をはじめとする海外への輸出体制には、まだ課題が残されているのだ。

ネックになっている各県個別のブランディング

 各自治体は海外で産品フェアを主催するなど、輸出の促進に向けた積極的な取り組みを行っている。ジェトロによると、香港やシンガポールなどでは「毎週、あるいは毎日のようにイベントが実施されている状況」だという。

 だが、ジェトロによると、現地バイヤーから「産地がバラバラでイベントを実施しており、インパクトに欠ける」という意見が寄せられているという。

 このような、バラバラのブランディング活動がネックになっている。自治体間競争が激化し、輸出先でもパイを奪い合う。結果として「ジャパンブランド」のインパクトが弱くなってしまうのだ。

 もちろん、これまで自治体の努力で輸出の道が切り開かれてきたのだろう。しかし、率直な現地の声も踏まえていかなければならない。

 また、自治体が新たに輸出をしようとして、自前で輸出業者を探したり、手続きを進めるのにはリスクがある。輸出先の現地調査を十分に行い、戦略を練ることが必要だ。規制が壁になって輸出できないこともある。輸出には現地の知識とノウハウが必要なのだ。

 このような反省を踏まえて、オールジャパンのブランド確立に向けた取り組みも始まった。

 農業、食品、観光などの各種産業団体や、全国都道府県知事、関係省庁などからなる「農林水産物等輸出促進全国協議会」では、2013年に各地で地方ブロック協議会が開催され、農林水産物・食品の品目別・国別輸出戦略案について意見交換を行ったという。

 香港で2013年に開催された「Food Expo」では、岩手県、宮城県、栃木県、群馬県などの自治体が足並みを揃えて出店した。自治体ブースも設け、オールジャパンとしてのイメージを出したという。これまで各県がバラバラに行っていた商談会も、広域での商談会を行っている。

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