日中間に横たわる尖閣問題や中国が設定した防空識別圏の問題などを発端に、日中が交戦する事態に陥った時、日本国内にはいまだに「米軍が本当に日本を守ってくれるか疑わしい」との声がある。

 だが米政府関係者や専門家に取材をすれば、大多数は「米軍は日本を間違いなく守る」との立場だ。それは過去も現在も変わらない。

主流派ではない日本懐疑論

「近隣諸国との関係改善に努力を」、米国防長官が日本政府に要請

2013年10月、日米安全保障協議委員会(2プラス2)に来日したチャック・ヘーゲル米国防長官。左は小野寺五典防衛相、右が岸田文雄外相〔AFPBB News

 昨年11月、チャック・ヘーゲル国防長官も小野寺五典防衛大臣に対し、尖閣諸島は日米同盟の範疇に入るので、有事の際には米軍が日本を防衛すると述べたばかりだ。その言葉に偽りはないだろう。

 それは日本の領海・領空を死守するために米兵が命を懸けるということにほかならない。なにしろ米軍は民主国家でも同盟国でもないイラクに派兵し、4500人もの犠牲者を出してなお、かの国の安定化を助けようとさえしている。

 日本の有事では、もちろん自衛隊が最初に動かなくてはいけないし、日米合同の防衛体制の強化も必須である。

 一方、ワシントン政府内にも日本への懐疑論がないわけではない。だがそれは、連綿と続いてきた民主・共和両政権の主流派ではない。2014年になっても対日政策のスタンスに大きな変化はない。

 むしろ米国市民の中に日本に対する様々な声がある。その方が米国の多様性が示されて興味深いので、年頭にあたり、ネット上で見られる米市民の対日観をご紹介したい。

ドッグさん「中国が東シナ海に手を伸ばして海洋国家になろうとしていることは、米国にいる素人の私でも理解できます。中国が目指すのは、21世紀版の『ドミノ理論』のようにも思えます。米国は南ベトナムで味わった苦汁を再びなめるわけがありません。中国の進出は絶対に許さないでしょう」

バーティーさん「ドッグさんのおっしゃることが本当であることを祈ります。米軍は日本だけでなく東アジアを守ってくれますよね?」