おわりに

 医薬品や医療機器とは異なる世界的に新しい再生医療等製品に特化した承認制度により、有効性が推定され、安全性が確認されれば、世界的なインパクトとなる。

 現在、神戸理研の高橋政代先生やヘリオスというベンチャー企業などが中心になって、加齢黄斑変性症と呼ばれる網膜の重症疾患ついて、世界初の、いわゆるファースト・イン・ヒューマン試験が準備されており、来年ぐらいに実施されようとしている。

 再生医療分野の競争が世界的に激化している中、このようなプロジェクトについて官民を挙げて支援する枠組みはまだまだ十分とは言えない。

 我が国の再生医療を担う新たな制度のもと、関連省庁が関係予算を統合し、有能な人材の雇用に努め、プロジェクトの進捗管理を行いつつ出口戦略を描き、より一体的な支援の仕組みを構築する必要がある。

 民間資金や個人の寄付なども集め、基金の創設を検討してはどうか。さて、現代の太陽神ヘリオスは盲目になったオリオンの眼を癒すことができるのか?