「御用聞き」ビジネスに進化する食品移動販売

過疎地、山間地だけでなく都市部でも高まる需要

2013.11.01(Fri)白田 茜

 経済産業省によると、「買い物難民」は全国で約600万人と推計されている。移動販売は買い物難民の窮状を救うと脚光を浴びているが、課題はいかに採算ベースに乗せるかだ。高頻度で購入される肉、魚、日用品などの単価は低く、移動販売や宅配はコストがかかる割に採算が成り立ちづらい。

 都市部を中心に多様な消費者のニーズに応えてきた移動販売車も、天候による客足への影響が大きい上、単価が低く売り上げ規模に限界があり、採算が合わないとも言われている。

 しかし、新たな光も射してきている。セブンイレブンは、移動販売車1台の1日あたりの売上高は「黒字水準に近づいてきた」という。販売の途中で近隣の家庭に“ご用聞き”することで配達の注文を取れたり、移動販売に興味を持った顧客が実店舗に来客したりという波及効果もある。

 セブンイレブンは、不採算地区に移動販売で進出し、地域の店の販売力が高まるならば費用対効果は十分と見ているという。店舗で待つだけではなくお客様のところへ出向く“ご用聞き”は将来を見据えたビジネスなのだ。

 もっとも、移動販売を成功させるには、複数の箇所を回り1カ所あたりの売り上げを上げることが必要になる。そのためには、事前に出店場所と時間を周知しておくことや、顧客の品揃えの要望に応えリピーターをつくることなどの努力が欠かせない。

 「実際手に取って商品を買いたい」という潜在的なニーズを掘り起こす。都市部では店舗が飽和状態にある中、多様な需要に応えてきた移動販売。地方の衰退と高齢化が進む日本で新たなビジネスの可能性が生まれつつある。


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