「御用聞き」ビジネスに進化する食品移動販売

過疎地、山間地だけでなく都市部でも高まる需要

2013.11.01(Fri)白田 茜

衛生管理、設備など出店までには様々なハードルが

 出店するためには許可が必要な上、様々なハードルもある。このところ増えてきている移動販売車を例に挙げたい。

 まず、店舗ごとに食品衛生管理責任者を置くという決まりがある。そのため、調理士や栄養士などの資格を持っていなければ講習を受ける必要がある。

 また、販売する商品によっては仕込みをする場所が必要になる。自宅は認められないので、借りるなどして場所を確保しなければならない。

 さらに、許可の条件を満たすために設備を整えなければならない。営業許可を得るためには、給排水タンクの容量や収納、シンクの数、運転席部分と調理販売スペースが完全に仕切られていることなどの要件を満たす必要がある。もっともこういった許可の要件は管轄の保健所によってまちまちだ。

 開業にあたっての初期投資額は100万~200万円とも言われているが、高価な車体を購入すれば500万円程度かかる場合もある。保健所の許可を取るために図面を引いたり、必要な設備を揃えたりするのにもっとかかることもある。仕込み場所の賃料が発生することもある。

 さらに、頭を悩ますのが営業場所だ。路上の場合、管轄の警察署から道路使用許可を取らなければならない。公園内の場合は自治体や国土交通省に申請が必要だが、許可は下りにくいようだ。道路や公園以外となると、残されるのは私有地となる。ショッピングモールやスーパー、他業種の店舗の駐車場、民間の会社の敷地内などだ。これら私有地ではほとんどの場合、出店料を取られる。

 首都圏では、条件の良い場所はたいていすでに店が出ているという話も聞く。車ならどこでも販売できると思いがちだが、公園や路上での許可を取りにくい上、私有地は所有者からあらかじめ許可を得なければならない。人通りの多い場所や天候に影響されにくい場所など、好条件の立地は同業者で場所の争奪戦になる可能性が高い。

 様々なハードルをクリアにするために、近年、移動販売のフランチャイズやコンサルティングサービスが増えている。移動カフェのフランチャイズと開業支援をする「Ezy Cafe」や「リラックスカフェ」などだ。

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