マット安川 今回はゲストに河添恵子さんを迎え、全人代を経て正式に発足した中国の新体制について詳しくお聞きしました。環境問題の実態など、一般メディアでは知り得ないお話ばかりです。
中国の新体制が始動。しかし人民はまったく興味ナシ
ノンフィクション作家。主な著書に『豹変した中国人がアメリカをボロボロにした』(産経新聞出版)『中国人の世界乗っ取り計画』(産経新聞出版)『エリートの条件 世界の学校・教育最新事情』(学研)『中国人とは愛を語れない!』(並木書房)などがある。(撮影:前田せいめい、以下同)
河添 中国の新体制をひと言でいえば、海洋利権と環境利権のツートップです。習近平(国家主席)さんは海洋利権を、李克強(首相)さんは環境利権を牛耳っていますから。
しかし中国の人たちは国の上がどう代わろうと全然興味ないんです。もしかすると2人の名前を知らない人が8割ぐらいいるかもしれないと思います。去年も一昨年も中国に行って、今のトップについてどう思うかって聞いたりしましたけど、だれ?っていう反応なんですね。要するに知らないと。
中国共産党のトップ7も人民の方なんて向いてません。彼らはある意味、世界に中国共産党をPRする広報チームなんですよ。で場合によっては、人民の怒りをそのために利用したりする。それが基本的な構造ですね。
共産党の幹部の人たちは北京の中南海にいるかもしれないけど、彼らの一族はみんなアメリカかカナダかオーストラリアにいます。習近平さんの親族もイギリスと香港と台湾にいますし、娘さんはアメリカにいる。彼女はハーバード(大学)に偽名で留学してるって話ですね。だから環境汚染も毒食も関係ないんです。
大気汚染問題は中国当局による「看板の書き換え」
中国の大気汚染は今に始まったことじゃありません。私は去年の春の段階で、今と同じ情報を発信していました。それがどうして今これほど問題として出てきたかといえば、中国当局による「看板の書き換え」ってことなんです。
中国は今まで世界の工場、13億の市場ということを表看板にお金を集めてきました。でもみんなが脱中国で逃げた今、次の看板を掲げる必要があった。
それで数年前から準備していたのが環境問題なんです。環境が悪いっていうネガティブキャンペーンも集金につながるのが中国なんですよ。だってこの国は昔から、みんな貧困だから助けてくれと、お涙頂戴系のキャンペーンで脳天気な日本からお金を取ってきたわけですからね。
北京五輪のときは空が青かった。ということは、中国は自力で空を青くすることもできる国だということです。