今年5月にソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の米フェイスブックが自社ブランドのスマートフォンを開発していると報じられたことは記憶に新しいが、今度は米アマゾン・ドットコムもスマートフォンを開発していると伝えられ、話題になっている。

Kindleと同じ低価格路線か?

アマゾン、来年スマートフォン発売か シティ予測

ついにアマゾンもスマートフォンに進出〔AFPBB News

 米ブルームバーグが6日、事情に詳しい関係者の話として、アマゾンが台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下で、携帯電話製造受託サービスを手がける中国・富士康(フォックスコン)国際と協力し、自社ブランドのスマートフォンを開発していると伝えた。

 ブルームバーグによるとアマゾンのスマートフォンは、タブレット端末「キンドル・ファイア(Kindle Fire)」同様に、米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を搭載し、ユーザーインターフェースはアマゾン独自のものを採用する見込み。

 またキンドルシリーズ同様に、端末は安価で販売し、電子書籍や音楽、映画などデジタルコンテンツの販売で稼ぐという戦略。通信サービスは既存通信事業者から回線を借りて運営する方式を採ると見られている。

 一方米CNNもこの話題を取り上げており、「スマートフォンの市場では韓国サムスン電子や米アップルが世界市場の大半を占めており、アマゾンは苦戦を強いられそうだ」と伝えている。

 米ガートナーがまとめた今年1~3月期市場調査の結果を見ても、サムスンとアップルを合わせたスマートフォンの販売台数シェアは49.3%となっており、1年前の29.3%から大きく上昇している。

 これに対し、フィンランド・ノキアのシェアが9.2%に低下するなど、サムスンとアップル以外は軒並み低迷しているという状況だ。

スマホ市場では法廷闘争も激化

 アマゾンは、電子書籍やタブレット端末などをいち早く投入し、シェア拡大に成功してきた。しかし、スマートフォン市場ではこれとは異なる市場環境がある。

 それを考慮してか、アマゾンは通信機器関連の保有特許拡大に向けて既に動き出しているようだ。

 ブルームバーグによると、同社は米マイクロソフトの元最高技術責任者(CTO)ネイサン・ミアボルド氏が設立した知的財産管理会社インテレクチュアル・ベンチャーズ・マネジマントで幹部を務めていた人物を雇い入れており、これにより特許資産の強化を図る狙いという。