欧州が騒がしくなっている。昨日ロンドンで会った英フィナンシャル・タイムズ紙のライオネル・バーバー編集長は静かにこう切り出した。「大変残念なことにユーロから離脱する国が現れるのはほぼ確実になった。私たちにはその用意が必要だ」。
ユーロ崩壊の足音がすぐ近くに聞こえる
特定の国を名指ししなかったのは、言わずもがなであり、さらには1カ国にとどまらない可能性があるからだろう。
鳴り物入りでユーロが誕生して(通貨の流通が始まって)10年目を迎えた2012年、その節目の年にユーロは最大のピンチを迎えている。
ギリシャのユーロ離脱を意味する「grexit(グリグジット)」なる流行語まで生まれた。今週はFT紙を中心にユーロ問題を見ていきたい。
この1週間にギリシャとユーロ問題を扱った記事は次の通りである。
●FT紙
「ユーロを救う最後のチャンス」
「ユーロ圏の銀行取り付け騒ぎを止める唯一の方法」
「ユーロ圏の離婚に向け計画を立てる時が来た」
「ギリシャ離脱が将来に残す禍根~永遠に失われるユーロ圏の一体性への信頼」
「ユーロ危機、調整か解体か、もう待ったなし~脆弱な欧州は早急に変わらねばならない」
「危機を逃れ、ドイツ国債に殺到する投資家~安全資産としての資質に疑問の声も」
●エコノミスト誌
1号さかのぼると次の記事がある。