それは、多額の補助金を供給されている原子力発電所がある地域の経済が自立できず、いつまで経っても原発に頼り切るのを見ればよく分かるだろう。

 やや脱線するが、そういう状態に地域を追い込んでおいて、再稼働となったら「原発がなければ仕事がない」と泣き言を言わせて国民の同情を得ようとする神経には呆れるばかりである。

 ウルフ氏は続ける。

 「苦しい状況に置かれた経済にとって、ユーロ圏がこのように弱々しい経済成長にとどまることは一大事だ。ユーロ圏全体で見れば信用の収縮や財政の緊縮が、和らぐどころか激しくなりがちになることを意味しているためだ」

 「その責任は、各国が一斉に財政緊縮に走ることと、マネーサプライの伸び率を低いままにしている欧州中央銀行(ECB)の政策に問うことができるだろう」

 各国を日本に、ECBを日銀に置き換えて読むべき主張である。国家を筋肉質に鍛え上げて、将来の日本を支える産業を育てるための投資は惜しまない。いまの日本に必要なのは日本を弱めるバラマキの原資となる増税ではない。