新入生や新入社員が新しい環境に対応できず、精神的に苦痛を感じる状態が「5月病」です。逆に、いつものワインではマンネリだ、たまには違う刺激が欲しい、とおっしゃるワイン好きの方もいらっしゃるかもしれません。
世界のワイン市場に攻勢をかけるニューフェイス
ワインと言えば、フランス、イタリア、スペイン、ドイツのヨーロッパ系を主軸に、近頃ではアメリカ、オーストラリア、チリ、アルゼンチン、南アフリカ、ニュージーランドなども、本家ヨーロッパ勢を追い落としそうな勢いで確固たる地位を築いています。
さらにここにきてニューフェイスが世界市場、主にEU市場に攻勢をかけようとしているのをご存じでしょうか。
ワインの起源については諸説ありますが、黎明期に重要な役割を果たしたのが、5000年前の海の民フェニキア人です。彼らがまず地中海沿岸にワインを広めました。
フランスやドイツなどヨーロッパ内陸部に広めたのは紀元後のローマ人ですが、それ以前から地中海沿岸では盛んに飲まれていたようです。
ローマ史以前にワインを飲んでいたのは、2011年2月のジャスミン革命でアラブの春の火蓋を切ったチュニジアをはじめとする北アフリカと、アラビア半島諸国の人々です。
モロッコ、アルジェリア、チュニジアでは軽めのワインがつくられ、イスラエル、レバノンでは重くパワフルなワインがつくられます。このエリアのワインの歴史は、先に述べた通りローマ時代よりはるかに古くさかのぼることができます。
しかし、7世紀にイスラム化されてからは低迷しました。最終的にオスマン帝国の支配が終了するまでお酒を飲むことが禁じられていたため、ワイン生産は1000年以上停止していたことになります。
その後、主に、宗主国がフランスとなった国々で盛んにワインづくりが復興し、イスラム教国として独立した後も外貨獲得資源としてワイン産業は重宝されています。アルジェリアでは国営企業として大切に位置づけされているほどです。
北アフリカとアラビア半島のワインの特徴
北アフリカやアラビア半島で古来ワインが生産されていたということは、ワインづくりに適した気候と土壌があるということです。