「革命的な業績」というのは、一時代前の常識を覆すようなものだから「革命的」と言われるわけです。
ということは、一時代前なら「バカじゃないの?」と言われるようなモノが大半だった・・・よく、ベンチャー支援とか、そういう文脈で出てくる話ですが、ちょっとコレを別の角度から考えてみたいと思うのです。
「ターゲティングとソリューション」から
前回お話しした「ターゲティング」的を絞ることと「ソリューション」解決の方法という言葉を使うなら、仮に誰もが狙うような目標、狙いであっても、他の人が逆立ちしてもやらないような、鮮やかな「ソリューション」、珍策奇策でこれに対処する、というのが「革命的」な結果に結びつく場合が多い。
こう言うと、珍策を弄すればよいように誤解されかねませんが、そうじゃないですね。
例えば病気を治す、ガンを退治しようというとき、普通の治療法があまり功を奏さないらしい、それでは、と珍奇な民間療法を試みればよいか、と言われれば、当然ながら効果が出なければ意味は全くない。
きちんと役立つものでなければ、意味はありません。
これはつまり、一時代前の常識の中で死角になっており、有識者など誰もが「そんなバカな」と思うような「時代の盲点」を射るような仕事が成功すると「革命的」だったということになる。
そういう典型的な事例を1つ挙げてみたいと思います。いつもは音楽の事例でお話しするわけですが、今回は別の例でお話ししましょう。
相対性理論の「革命性」
アインシュタインの特殊相対性理論は、それまでの物理学を基礎から揺るがした代表的な「革命的な仕事」と思います。
と言っても、物理をやめて久しい私には、相対論の革命性を論じる資格は、本当はありません。また相対論の深い革命性はさまざまにあると思いますが、ここでは「エーテル」という考え方に沿った部分だけ、取り出して考えてみたいと思います。
エーテルという言葉は、バケ学の化学では現在も使われていますが、19世紀までの物理学ではこれと違う意味に用いられていました。それは、光を伝播する媒質、という意味です。
周知のように光には波の性質があります。例えば光はガラスなどに入射すると屈折します。プリズムでは屈折率の違いによって太陽の白色光が7色のスペクトルに分解(分光:スペクトロスコピー)される。よく知られる事実でしょう。