中山 東日本大震災から1年を迎えるにあたり、自民党の谷垣(禎一)総裁は「復興加速のための10の方策」を発表しました。
政府が5年間の集中復興期間で19兆円とする復興事業費の総額を撤回し、必要な事業費を上限なく確保することが柱だそうです。私は与党がプライドを捨てて、野党案を丸呑みした方が復興の速度は上がると思いますが、いかがですか?
神谷 同感です。今、求められているのはお金に上限を設けることではなく、スピードです。スピードを重視しなければ地方から人が離れてしまうし、仕事がないと住むこともできません。
国の借金や財源の問題はひとまず置いておき、民主党は自民党案に乗るべきだと思います。
国民の反公務員感情をくすぐる、橋下氏の教育条例
中山 大阪維新の会代表の橋下(徹)大阪市長と会ったことはありますか?
神谷 あります。以前、私が「大阪教育改革を市町村から始める会」を橋下氏に提案し、1年ほど一緒に活動していました。
その後も会は続いていますが、当時代表だった橋下氏が大阪維新の会を立ち上げる際、我々が会のつくり方に疑義を呈したことから袂を分かつことになったのです。以来、共に教育問題を考えることはなくなりました。
中山 維新の会が進めている大阪府・市の教育基本2条例について、元高校教師である神谷さんはこの一件をどう思いますか。
神谷 組合の問題や教師の職務に関する部分がクローズアップされていますが、本質はそこではないと思います。現場の教師を叩くのではなく、もっと頑張ってもらうためにどんなバックアップができるかを考える方が、教師や子どもにとっては大切です。
公務員や教師に対して不満を抱く国民が多いとはいえ、そこをくすぐるような条例を出すのはどうかと思いますね。
ただ、既成政党がこれまで着手しなかった部分に突っ込んだのは非常に評価していますし、やるべきではないとは決して思いません。もう少し視点を変えて、色々な意見を取り入れれば良い条例になるのではないでしょうか。
維新の会は国政に出て、チームとして機能するか?
中山 橋下氏は出演したテレビ番組で、次期衆院選で擁立する維新の候補者数について「300とか200とか」と発言しました。国政進出については「国会議員が維新の会の意思をくむなら、その必要はない」と述べたようですが、この発言をどう見ますか。