また、大人の恋人や、付き合いの長い恋人となら、1杯目はあえてグラスでボジョレー・ヌーヴォーを注文して話題をつくり、2杯目以降は熟成したワインに替えてみる。成熟さが魅力の相手であれば、その粋な演出をキャッチするはずです。

 ワイン好きが相手なら、2杯目以降にヌーヴォーでない高級なボジョレーの年代物(クリュ・ボジョレーの数年前のもの)を比較してみるのも面白いですね。

華やかなラベルの「ブシャール・エイネ ボージョレ・ヌーヴォ 2011」(アサヒビール)

 ヌーヴォー(=新酒)には将来のワインの品定め的な意味合いがあるので、あまりアピールせず、さり気ないほうが魅力的です。

 ワインに詳しい女性であれば、「ヌーヴォー大好き」「ヌーヴォーが一番」などと言われると、なんとなく「若い子が一番」と意思表示されているような気がして不愉快になる人もいるようです(私も同感です)。

 季節感のあるワインのため、お土産にも最適だし、話題にもしやすいですね。加えて、綺麗なエチケット(ラベル)が多いので、選んだ理由などを話してみると会話が広げやすくて楽しいですよ。

 余談ですが、今年ボジョレー・ヌーヴォーは1951年に「11月15日」が解禁日(1985年に「11月第3木曜」に改定)になって60周年。ぜひ還暦のお祝いや「60」という数を記念したイベントにも選んでみてください。

 猛暑だった2011年はとてもブドウの出来が良いグレートビンテージ(=良年)と言われていて、例年のボジョレー・ヌーヴォーにないヤンチャさと、太陽をたっぷり浴びたブドウの凝縮感が味わえます。ヌーヴォー(=新酒)だけでなく、ゆっくりと時間をかけて作られる2011年もののボジョレーの高級酒クリュ・ボジョレーを何年か後に飲むのも今から楽しみです。

 高級な部類のワインではありませんが、日本での流行や価格など、味わい以外にも話題が豊富なのがボジョレー・ヌーヴォーの別の側面です。

 日本では現地より4倍高いボジョレー・ヌーヴォー。ならば4倍楽しんでみましょうか。