日本人の「国産」「天然物」信仰はスキだらけ

食に関するウソ・ホント~前篇

2009.12.17(Thu)森田 由子

 一生摂り続けても安全な量とされる、クルクミンの「1日摂取許容量」は、体重1キロ当たり0~3ミリグラム/日だ。体重70キロの成人なら1日に最大210ミリグラムまで、ということになる(第61回JECFA=合同食品添加物専門家会議=での再評価による)。

 クルクミンの効能が明らかになったあかつきには、食品を卒業して「医薬品」とした方が、問題は起こりにくい。ウコンは、利用者の持病や長期過剰摂取によっては、逆に肝臓機能の低下や薬疹を引き起こすとの報告がある。クルクミンではウコンとは少し事情が異なるようだが、見守る必要はあるだろう。

 「肝機能改善」をうたう食品の市場規模は170億円相当とも言われる。期待の大きさは、機能解明を後押しするだろう。しかし、食品で健康の保証や病気の治癒を望むのは期待しすぎである。それは医薬品の領分であり、効能と副作用は表裏一体。だからこそ使用方法や量が厳密に決められている。

 ウコンやクルクミンと、食品としてつき合うのか、医薬品としてつき合うのか。つき合い方を決めるには、相手をきちんと知る必要がある。皆さんには、「効能がある」という情報の質を見極める「眼力」を、ぜひ身につけていただきたい。

 効能があるという結果が得られた実験の対象は、細胞か、動物か、人間か。成果は単なるコメントとして発表されたのか、それとも学会発表か、専門学術誌への掲載か。それぞれで信頼度は異なる。

 そもそも薬事法によれば、「効能」をうたっていいのは、承認された医薬品、医薬部外品、化粧品または医療機器だけである。少なくとも専門誌に掲載される実験成果があり、同様の結果が複数の研究者たちにより再現され、適切な臨床試験によってヒトでの効果が確かめられたものでなければ、効能はうたえない。効能の証明には、それほどの慎重さと厳密さが要求されるのだ。

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