日本人の「国産」「天然物」信仰はスキだらけ

食に関するウソ・ホント~前篇

2009.12.17(Thu)森田 由子

 人間が備えている「味覚」という感覚は、本来、食べ物が体にとって有益なものか、安全なものかを見分けるための仕組みだ。

 しかし、皆さんは「食べて大丈夫」「食べられない」をどうやって判断しているだろうか。匂いと味を確かめて判断するというよりも、消費期限や賞味期限、成分、製造者など、食品表示情報に頼って判断している人が多いのではないか。

 今の時代においては、食品がまとう様々な表示情報の方が、感覚よりも客観的で信頼できる・・・、と思われている。だが、本当にそうだろうか? 冒頭で「産地表示」の話をしたが、皆さんは表示情報の意味をきちんと理解しているだろうか。

「添加物」なしで加工食品は作れない

 例えば、店で売られているお弁当や、お取り寄せグルメで「無添加」という表示をよく見かける。けれども食品衛生法上では、加工食品を作る際、水、あるいは素材となる「食品」以外は、すべてが「食品添加物」に当たる。

 だとすれば、加工食品で真に「無添加」(食品添加物がまったく含まれていない)ということが、そもそもあり得るだろうか? 実際は、まずあり得ないと言ってよい。

「‘おいしく、食べる’の科学展」では食品表示に関する展示コーナーを設けた
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 「無添加」と大きく表示されていても、よく見れば「合成着色料、無添加」であったりする。単に着色料が天然物由来だというだけなのだが、それを強調しているのである。

 「無添加」あるいは「合成添加物不使用」といった表示は、本来、表示する必要のない情報だ。どういう状況なら「無添加」なのかという規定もない。

 日本は添加物に関してポジティブリスト制を取っている。つまり、厚生労働大臣が指定したものだけを使うことができ、得体の知れない(認可されていない)添加物は使用できない。さらに登録されているものは安全な使用方法が規定されている。食品メーカーがルールを遵守し、目的を精査して使用している限りは、合成された添加物(保存料も含まれる)だろうと決して危なくはない。食品添加物をやみくもに「危険だ」「害がある」と捉えるのは間違いである。

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