米大統領選の勝利を確実にしたドナルド・トランプ氏(11月6日フロリダ州で撮影、写真:ロイター/アフロ)

白人優遇社会を死守した白人男たち

 1億6000万人の米有権者による「審判」が下った。

 11月5日深夜(米国時間)現在、カマラ・ハリス民主党候補とドナルド・トランプ共和党候補が獲得した選挙人数は、ハリス氏194人、トランプ氏266人。

 勝利に必要な数は270人。

 トランプ氏は激戦州7州のうちノースカロライナ州(15人)とジョージア州(16人)を奪い取った。

 残りの激戦州は5州となったが、ハリス氏が全部取ったとしても獲得選挙人数は257人。270人には及ばない。

Election 2024 live updates: Trump takes Georgia over Harris; Republicans win Senate majority

 世論調査では、ハリス氏とトランプ氏の対決は最後の最後まで互角とされていたが、ふたを開けると、トランプ氏の見事な勝利だった。

 圧勝と言った方がいいかもしれない。

 有権者の半数(多くは低学歴の白人男性)が、インド系黒人の女性がホワイトハウスの主人公になることに「レッドカード」を突きつけたのだ。

 男性に限らず、トランプ支持派の白人女性アジテーターも「ホワイトハウスがカレー臭くなるのは御免だわ」とまで言っていた。

 女性の社会進出を拒む壁を「ガラスの天井」というが、有色人種の女性については「コンクリートの天井」と言われてきた。

 女性上位、男女同権を公言してきたアメリカ合衆国でも「コンクリートの天井」はまだまだ分厚いことが改めて立証された。

 筆者の知人のフランス人ワシントン特派員はコメントした。

「やはり、米国市民の半分は黒人女性を大統領にする心の準備はできていなかった」

「だがそれに代わる大統領がもう少しまともな白人の男ならまだしも、トランプのような男だとは。最悪だ」

「フランスで言えば、エッフェル塔が倒れたようなものだ。米国人がこれほど愚かだとは思わなかった」