米国とイスラエルの攻撃を埋めるイランの首都テヘラン(写真:Abaca/アフロ)
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 今月中旬、米国のトランプ大統領と会談する高市首相は「イラン問題についても率直に話す」と語っている。他国に軍事介入することにメリットがないと語っていたトランプ大統領だが、第二次政権になると、むしろ覇権的とも取れる行動を取り始めている。一方の日本では、高市政権が中国と睨み合いを続けている。こうした状況で、日米同盟はどのような意味を持つのか。『同盟の転機 アメリカの変貌と日本の戦略』(日経BP 日本経済新聞出版)を上梓したジャパン・ソサエティー理事長兼CEOのジョシュア・ウォーカー氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト)

──高市政権の中国に対する強硬な姿勢をどう見ますか?

ジョシュア・ウォーカー氏(以下、ウォーカー):日米同盟の観点から見ると良いことです。石破政権のときは、米国から見るとやや心もとない印象でした。

 高市首相は安倍元首相と同じ路線を取っています。中国を国として敵視するのではなく、習近平政権や中国共産党のあり方を問題視しているのです。中国もまた日本に対して強硬な姿勢ですが、日本がいかにそれと向き合い、言いなりにならないようにするかが重要です。

 高市首相は3月中旬に訪米してトランプ大統領と会談する予定ですが、そこで対中戦略を話し合うでしょう。トランプ大統領は強いリーダーが大好きです。中国もインドも主張の多い国ですが、日本はこれまで主張を抑えて大人しく振舞ってきました。日本の美徳もあるかもしれませんが、国際政治の場では大人しい態度では勝てません。

 高市首相には強い姿勢を見せてほしい。これは石破前首相にはできなかったことです。

──高市首相は、台湾有事の際には存立危機事態になり得ると発言し、大きな議論になりました。この発言に関してはどんなことを感じますか?

ウォーカー:普通の感覚だと思います。彼女はハッキリと分かりやすい言葉で言いましたね。これが高市首相のいいところです。この主張は全く問題ありません。

 一方、中国はかなり厳しい態度で返しました。強い態度で向き合えば日本が態度を変えると考えたのでしょう。その結果、高市首相の人気がむしろ日本で高まってしまった。高市首相には、今後も、中国に対して対等な関係で向き合ってほしいと思います。

──高市首相の台湾有事をめぐる発言の後、米国は日本を明確に支持する姿勢は見せませんでした。

ウォーカー:とても残念に思いました。私はかつて米国務省で働いていた人間ですが、同盟国日本がこうした発言をしたら、米国はサポートするべきでしょう。

 ジョージ・グラス駐日米大使は高市首相の発言を支持しましたが、他の米国の重要なポジションにいる政治家たちは口をつぐみました。これはトランプ・習近平会談を実現させたいからです。

 私の想像ではありますが、マルコ・ルビオ国務長官やピート・ヘグセス国防長官なども、茂木敏充外相や小泉進次郎氏などに、見えないところでは「あれでよかった」と伝えているのではないでしょうか。

──日本も含め、保守政党が躍進する中、リベラル系の政党はどんどん力を失っている印象があります。なぜリベラル政党は世界中で力を失っているのだと思いますか?