使用曲に苦労したアリサ・リュウ
この他にも、女子シングル銅メダルの中井亜美選手はフリーで、ルイ・アームストロングの名曲『What A Wonderful World』(1968年)をアメリカの若手ポップス歌手=レキシ・ウォーカーがカバーしたものを使用。メダルに一歩届かず4位に終わった千葉百音選手は、ショートでディスコクイーンのドナ・サマー『Last Dance』(1978年)、フリーではデズリーの『I’m Kissing You』(1997年)と古めなブラック・ミュージック寄りの選曲でした。
海外勢は、やはりバレエ音楽やオペラ、ディズニー・ナンバーなどが多かったのですが、総じて日本勢の選曲は“ロック度”と、自分たちよりかなり上の世代の“懐かし楽曲度”が高めだったのが印象的。50~60年前に作られた“クラシック・ロック”は、広くアピールすると判断されたということなんでしょうかねぇ。
対して、女子シングルで逆転金メダルをさらったアメリカのアリサ・リュウ選手(2005年生まれ)はというと、ショートではアイスランド出身でアメリカを拠点に活動しているシンガー・ソングライター=レイヴェイの『Promise』(2023年)を選曲。
フリーはレディー・ガガの『Bloody Mary』(2022年)と『Bad Romance』(2009年)の予定を、前シーズンに世界選手権を制したプログラム、ドナ・サマーの『MacArthur Park』(1978年)へ変更。この曲はアメリカのシンガー・ソングライター=ジミー・ウェッブが、イギリスの俳優=リチャード・ハリス(映画『ハリー・ポッター』シリーズの最初の2作でホグワーツ魔法魔術学校のダンブルドア校長を演じた方)に送り、1968年に全米チャート2位になった大ヒット曲のディスコ・カバーです。
ちなみにアリサ・リュウ選手はオリンピックイヤーである2025-26年シーズンを迎えるにあたって当初、ショートプログラムでは、アメリカのシンガー・ソングライターであるD4vd(デヴィッドと読みます)とレイヴェイによる『This Is How It Feels』(2025年)を使用すると発表していましたが、その発表直後にD4vdの所有していた車のトランクから少女の腐乱した遺体が発見されるという事件が発覚。急遽、プログラムの変更を余儀なくされたため、使用曲を二転三転させたわけです。
こうした事態を経ての金メダル獲得! これが一番“ロック”だったかもしれませんね。