厳しい暮らしを笑いに変えて今を乗り切ろうとするイラン人
言うまでもなく、これらは深刻な物価高や通貨安に苦しむ国民生活を揶揄したものである。厳しい暮らしを強いられながらも、イラン人はそれを笑いに変えることで何とか今日ただ今を乗り切ろうとしている。それも、数千人、いや数万人ともいわれる同胞の血が無残に流された状況において、である。
こうした動画を見るにつけ、私はイラン人のたくましさというか、いじらしさに目頭が熱くなる。『イランの地下世界』でも書いたことだが、実際の彼らはやや見栄っ張りなところがあり、肉が買えなくても、他人にはすまし顔で「買っている」と言ったり、国外移住などできるはずもないのに、その予定があるような素振りをしてしまったりする人々なのだ。
外国人の私にすらある、その程度の感受性を、“イスラム”体制とその支持者が持っていなかったはずがない。米国により喉元に剣先を突きつけられた格好の今の体制を、「いい気味だ」とまでは言わないが、これまで好き勝手を重ねてきたツケをいよいよ払わざるをえない境地まで追い詰められたように見えるのは、私だけではないはずだ。