筆者はブルペンこそが、春季キャンプ一番の見ものだと思うが、ファンに公開していない球団も多い。
そのあたりの事情について、あるコーチは「ブルペンに上がる投手は一球一球考えを巡らせながら投げることが多い。集中力が途切れることもあるから、ファンに公開しないほうがいいんだ」と語った。
日本ハムのブルペンも、ファンは規制されたエリアの外側から遠巻きにブルペンをのぞき込んでいた。
遠巻きにブルペンを見るファン(筆者撮影)
若手や育成選手にとっては生き残りをかける場に
メインスタジアムでは、打撃練習が始まった。
日本ハムの打者の練習が終わると、次はビジターの阪神タイガース。試合開始は13時からだが、11時にはすでに約7000ある観客席がほぼ埋まった。観客席の「関西弁」の含有率が異常に高い。
前日あたりから、沖縄県は寒波に見舞われていた。平年であれば最低気温が15度、最高気温は優に20度を超すが、この日の最低気温は8度。沖縄では「厳冬」と言える気温だ。
海からは次々と雲が押し寄せ、雨交じりの強風が吹きつける。
沖縄の飲料自動販売機は、冬季でもColdが大部分で、Hotは少ないのだが、「あかん! 温い飲み物、全部売り切れている。冷たいのばっかりや!」と虎のキャップのおじさんが騒いでいる。
寒風吹きすさぶ中、試合が始まった。先攻阪神は2番右翼森下翔太、4番三塁佐藤輝明と、WBC召集組が順当に打線に名を連ねている。先発は昨年一軍に初登板し、今季は先発ローテの期待がかかる4年目の茨木秀俊、後攻日本ハムは、昨年ドラフト2位、大阪学院大出のエドポロケインが4番、先発は昨年、売り出した達孝太。
練習試合に登場した阪神の佐藤輝明(筆者撮影)
とはいっても、この時期の選手起用はまだお試しだ。投手たちは1、2回で降板し、次から次へと投手が上がる。中には「三桁」の背番号の育成選手もいる。彼らは生き残りをかけてプレーしている。
鋭いスイングのエドポロケイン(筆者撮影)
気が付くと立ち見のお客が出ていた。早くも熱気渦巻く球場、ようやく「球春到来」を実感した。







