喧騒の裏で日本国債を買い進む投資主体
高市政権の積極財政による信用不安や円安による輸入インフレによる「悪い金利上昇」をはやす向きがいる一方、こうした喧騒を「チャンス」とばかりに日本国債を買い進んでいる投資家がいます。それは海外の機関投資家です。
財務省が公表した対外・対内証券投資によれば、海外投資家は2026年1月26日の週に国債などの中長期債を約2兆円買い越し、買い越し額としては2025年4月以来約9カ月ぶりの高水準に達したことが伝えられています(図表5)。

日本国債を買い進む海外投資家
日本では大規模緩和で当局が長期金利を人為的に低位にコントロールしていた時期が長く続いたことで、市場の価格発見機能が低下し、債券市場に参加していた多くのプロ達が市場から退場を余儀なくされたと伝えられています。
一方、米国を筆頭に海外では債券投資は個人投資家にも人気の投資の定番メニューで、米国には運用資産が約2000億ドル(約31兆円)にも達する人気のアクティブ債券ファンドがあるほど、債券は一般に広く浸透した投資対象です。
巨額の資金を運用する海外の債券ファンドは、金利変動、イールドカーブ、カントリーアロケーション、クレジットなど多様なリスクをとりながらリターンを高めようとしますが、そんな海外投資家が最近注目しているのが日本国債で、彼らの日本国債の買い越し額は昨年の年初からの累計で約20兆円に達します(図表5)。
優秀な人材が集結し、最新のテクノロジーと膨大なデータで市場を分析し、積極果敢にリターンを追求するプロ中のプロともいうべき海外の債券ファンドが、日本のファンダメンタルズを把握せず「悪い金利上昇」に買い向かっていると考えるのは、いささか自信過剰が過ぎるのではないでしょうか。