財政悪化懸念や円安で金利上昇という「ポジショントーク」
現在の日本の金利上昇は景気回復による「良い金利上昇」だといくらファクトを提示しても、①高市政権による過度な財政拡張が日本の信用を低下させ、②円安を招き、③輸入インフレを引き起こすことで、「金利上昇に歯止めが効かなくなる」と言い張る人たちがいます。確かに、高市トレードで円安は進んでいるし、減速したとはいえ日本の消費者物価指数(CPI)は2%を超えて推移しています。
減速する日本のインフレ
足元の経済指標を確認すると、12月の日本のCPIはガソリン補助金の影響もあって前月の+2.9%から+2.1%に急減速しました。また、これまで日本のCPIを大きく引き上げてきた食品、なかでもコメ価格は一部で流通在庫の積み上がりから店頭価格に調整の動きがみられ、12月のCPIのコメ価格指数は前年比で減速傾向が鮮明になっています(図表3)。

さらに、基調的なインフレ動向を測る指標として海外では一般的な、変動の大きい食品とエネルギーを除いた12月のコアCPIは、前月から0.1%低下して前年同月比+1.5%の増加にとどまり、インフレに加速の兆しは見られません。
ちなみに、日本で流通するコメのほぼ99%は国産なので、コメ価格の高騰と円安には直接的な関係はありません。また、2025年1月のドル円は一時160円に迫る円安水準にあったため、為替が対前年比でインフレに与える影響は、少なくとも足元ではほぼニュートラルといえそうです。
こうした事実に目を向けず、長期金利の上昇を「円安による輸入インフレのせいだ」と言い張るのは、ある種の「ポジショントーク(自身の売買・ポジションを無理筋で正当化するロジック、屁理屈)」にも聞こえてきます。