両国の空中機動作戦の概要

(1)ロシアの空中機動作戦の概要

 ロシア軍は侵攻と同時(2022年2月24日)に、複数の空挺部隊とスペツナズ(特殊部隊)からなる推定数百人規模(700人規模とも)を第1波として、ヘリ20~34機に搭乗させ、キーウ近郊のアントノフ(ホストメリ)空港を空から襲撃し、一時的に飛行場の一部を制圧したとされる。

 たった1日で占拠したことは、その時点までは、第2次世界大戦後、歴史的な大成功であったように見えた。

 だが、ウクライナ軍は、「IL-76」輸送機などを使ったロシア軍の増派を阻止し、先に降着した部隊を孤立させた。

 ウクライナ軍の空港警備部隊と予備の機動打撃部隊が、航空攻撃、砲撃の支援を受け、孤立したロシア部隊を撃破した。

 結局、ロシア空中機動部隊は、数日内に壊滅的損耗を被った。

図1 ロシアのヘリボーン作戦(イメージ)

出典:各種情報に基づき筆者作成(以下同じ)
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(2)米軍によるベネズエラ奇襲作戦

 米軍は2026年1月2日深夜から翌3日未明にかけて、ベネズエラの首都カラカスを中心として作戦を妨害するであろう軍事施設を爆撃・破壊した後に、特殊部隊デルタフォースのヘリボーン作戦によりベネズエラ大統領を拘束・連行した。

 この作戦では、米軍の最先端の兵器が投入され、電子戦やサイバー戦が行われ、拘束・連行時に負傷者が多少出たものの、作戦そのものは確実に目的を果たした。