2026年1月16日、モーグルW杯、ウォータービル大会、男子モーグルで優勝した堀島行真 写真/Action Press/アフロ
(松原孝臣:ライター)
デュアルモーグルが新種目に
オリンピックの種目に採用されたモーグル。日本は、1998年長野大会で金メダル、2002年ソルトレイクシティ大会で銅メダルを獲得した里谷多英、5大会連続出場でそのすべての大会において入賞、世界選手権金メダルなど第一線で長く戦い続けた上村愛子など、脈々と歴史を築いてきた。
その流れを受け継ぐべく、ミラノ・コルティナ大会には男女それぞれ4名が出場する。
男子は堀島行真、島川拓也、西沢岳人、藤木豪心。 女子は冨高日向子、柳本理乃、藤木日菜、中尾春香だ。
この日本代表チームの中心となるのは堀島である。
世界の誰もが認める、モーグル界の王者だ。金メダルも期待されて臨んだ2018年平昌オリンピックでは11位と思いがけない成績に終わったが、2度目のオリンピック出場となった2022年北京では銅メダルを獲得。
2023-2024シーズンにはモーグルでワールドカップ総合王者となり、昨シーズンの世界選手権では、世界でもひと握りの選手しかできない大技、体を斜めに傾けて4回転する「コーク1440」を決めてモーグルで金メダルを手にすると、今回からオリンピック種目になるデュアルモーグルでも銀メダル。
今シーズンのワールドカップも好調を保ち、モーグルはワールドカップ総合ランキング1位、デュアルモーグルは2位でミラノ・コルティナを迎えることになった。
求道者のように競技に取り組んできた。以前のインタビューで、堀島はこう答えている。
「自分の中には、大会のためにやること、自分の理想、その2つがあります」
採点の対象にはならないハイレベルのエアの練習をすることもあると言う。対象外だから試合では使えないが、より高みを目指したいという衝動から行うのだと説明した。
エアでは「ミリ単位」での修正も行う。
「競技的には必要ないと思います。でも1ミリの違いを突き詰めることに楽しさがあります。そんなに高く飛ばないできれいにランディングした方が点数が出たりしますが、僕は高く飛んだうえでランディングも決めたいです」
2024年の春、ノルウェー・オスロに移住した。広大な室内スキー場があり、気象条件に左右されず、毎日同じ練習ができる環境であることが移り住んだ理由の1つだ。
もう1点はミラノと時差がない街であること。それをいかして、オリンピックの試合スケジュールと同じ時間帯に練習を続けてきた。どこまでも完璧を求め、そして理想を目指す姿勢がそこにある。
その先に見据えるのは金メダルにほかならない。
