安青錦の相撲には、破綻がほとんどない。立ち合いで崩れず組んでも慌てない。相手の動きを一手遅れで追うのではなく、半歩先で封じる。その判断力と修正力は、すでに円熟期の大関、あるいは横綱級と評しても過言ではない。21歳という年齢を考えれば、異様とすら言える完成度だ。
すでに「勝ち続けるための思考」が
ある親方はこう語っている。「勢いだけの力士は、必ずどこかで止まる。だが安青錦は、相撲を“理解して”勝っている。こういう力士は近年見たことがない」。
攻め急がず、型を崩さず、勝負どころで一気に踏み込む。勝ち星の積み重ね方が、すでに「番付上位常連の力士」なのである。
大関昇進直後は研究され、対策を施される。多くの力士がそこで足踏みを強いられる。しかし安青錦は、その試練を想定内として受け止めているように見える。相手が何をしてくるかを読み、それを上回る答えを用意する。
前出の琴風氏が「末恐ろしい」と評した理由は、単なる将来性ではない。すでに“勝ち続けるための思考”を身につけている点にある。