ウクライナ戦争はどのモデルに最も近いか
3つの歴史モデルを重ね合わせると、ウクライナ戦争の構造が立体的に浮かび上がる。
● 基本形は「朝鮮戦争型」
・戦線は広範囲で膠着
・双方とも決定的勝利は不可能
・停戦ライン+安全保障枠組みが議論の中心に
・多国籍軍構想は「欧州版38度線」を形成する動き
→ 戦線膠着と目標のスケールダウンが、停戦ラインの固定化を促す。
● 支援側の状況は「ベトナム戦争型」
・米欧の財政負担が累積し、政治的コストが上昇
・世論の疲れが顕在化しつつある
・米国は対中戦略への資源集中を強めている
・支援側である米国とEUの思惑に齟齬が生じている
・欧州は「自分たちの戦争」としての覚悟が問われる
→ 支援側の政治的・戦略的負担が限界に近づくと、戦争目的は必然的にスケールダウンする。
● ロシア側は「アフガン型」の疲弊
・戦費・制裁・人的損失が累積
・経済は持久戦モードに適応しつつも限界が見え始めている
・エリート層の不満と権力中枢の摩擦が増大
・プーチン政権は「体面を保つ出口」を模索し始めている
→ 長期戦は、権威主義体制であっても「内的崩壊圧力」を増幅させる。
● まとめ
ウクライナ戦争は、朝鮮・ベトナム・アフガンの3つの歴史モデルが同時に作用する「複合型戦争」である。
・前線では「朝鮮戦争型」の膠着が進み、停戦ライン+安全保障枠組みという「現状凍結型終結」の構造が形成されつつある。
・支援側の欧米では「ベトナム戦争型」の政治疲れが進行し、米欧の財政負担・世論の疲弊・対中戦略へのシフトが、支援の質と量のスケールダウンを不可避にしている。
・ロシア内部では「アフガン型」の疲弊が蓄積し、戦費・制裁・損耗・エリート層の不満が、プーチン政権に「体面を保つ出口」を探させる圧力となっている。
これら3つの力学が同時に進むことで、「戦線の膠着」+「支援側の疲れ」+「ロシアの内部疲弊」という3方向からの収束圧力が生まれ、ウクライナ戦争は2026年前後に「停戦へ向かう構造条件」が整う局面へと向かっている。