【キャタピラー:ジョー・クリードCEO】伝統的な重機メーカーから「デジタル+AIを基盤にしたイノベーター」へ
基調講演に初登壇したキャタピラーを率いる社歴30年のジョー・クリードCEO(出所:ces.tech)
・テクノロジーナラティブ(世界観):伝統的な重機メーカーから「デジタル+AIを基盤にしたイノベーター」へと進化
CES会期2日目の朝にキャタピラー社のCEO、ジョー・クリード氏が基調講演に初登壇。クリード氏はAIやデジタル体験がどれほど進化しても、それらはすべて物理インフラ(重機・設備・建設現場)が支えているという考え方を前提にして、キャタピラー社の伝統的な重機メーカーから「デジタル+AIを基盤にしたイノベーター」へと進化させていく戦略をプレゼンテーションした。
・バリュープロポジション(価値提案)①:新しいAIアシスタント 「Cat AI Assistant」 導入
キャタピラー社が保有する建設・鉱山機器の稼働データと「Helios統合データプラットフォーム」(稼働データの収集・蓄積を行うキャタピラー社独自のデータ基盤。AIの学習に利用され、現場の安全性と効率の継続的な改善に役立てられる)を使い、現場作業者に対して会話型で情報提供や支援を行うAIアシスタントを導入。機器のメンテナンス情報・稼働データ・安全アドバイスなど、現場で必要な情報をリアルタイムで提供することが可能。「Cat AI Assistant」はカタログ的な情報提供だけでなく、現場での意思決定や操作をサポートする役割を担う。
・バリュープロポジション(価値提案)②:自律運転・オートノミー技術の拡大
キャタピラー社はすでに鉱山の採掘現場などで自律運転技術を持っているが、CES2026では建設現場用の自律・半自律稼働機械のプレビューが紹介され、複雑な現場条件でも安全かつ効率的な動作を実現する技術として、5台を超える新しい自律機器の導入計画が示された。クリード氏によれば、自律技術は「人の役割を奪うのではなく、安全で効率的な作業現場を実現する」ためのものだという。
・戦略的Offering:エヌビディアとの協業拡大
基調講演後半には、エヌビディアのロボティクス・エッジAI担当副社長のディープ・タラ氏が登壇。エヌビディアのAIプラットフォーム(例:Jetson、Riva音声モデルなど)を活用し、重機のエッジAI(現場で動作するAI)や音声アシスタント機能を実装する計画を共有した。この協業で、AIデータ処理・意思決定支援・視覚認識などを現場機器に組み込んでいくという。
【エヌビディア:ジェンスン・ファンCEO】「フィジカルAI」の時代にフルスタックでエコシステムを構築
今や時の人 ジェンスン・ファン氏がプライベートな基調講演を実施したフォンテンブロー・ラスベガスの会場には数千人の聴衆が集まった(出所:ces.tech)
最後に、会期前の1月5日にエヌビディアのジェンスン・ファンCEOがフォンテンブロー・ラスベガス会場で行った基調講演「NVIDIA Live at CES2026」について紹介する。なお、著者は同日の同時刻にマンダレイベイ会場で行われていたヒュンダイ(ボストンダイナミクス)の記者会見に出席していたため、この基調講演だけはライブで参加していない。ビデオ視聴による情報の整理であることをお断りしておく。