データ流出につながりかねないシャドーAIの抜け穴

 シャドーAIは何らかのAIサービスやアプリが、シャドーITとして企業内で利用されてしまっている状態を指す。

 かつては企業内で利用されるAIも、企業側が個別に構築するしかなかった。しかしいまやネットを介して手軽にAIを利用可能な状況になっていることは、説明するまでもないだろう。

 その結果、従業員が個人で契約した生成AIに社内文書を貼り付けて要約させる、顧客情報を入力して提案文を作るといった「便利だが危うい使い方」が問題になっている。

 実際にWEF(世界経済フォーラム)が2026年1月に公開した「Global Cybersecurity Outlook 2026」は、AI導入の加速がサイバーリスクの地平を変えていると整理している。

 WEFの解説によると、2026年のサイバー領域でAIが最大の変化要因になると見込む企業が94%に達しており、さらに生成AIの普及によって懸念が「攻撃者の高度化」だけでなく、「意図しないデータ流出」へと移りつつあるという調査結果が示されている。

 つまり企業にとっての脅威は、外部からの侵入や攻撃だけではなく、内部で増殖するAI活用の「抜け穴」が引き金になる局面に入ったということだ。

 そして「シャドーAI」で使用されるのが単なるAIではなく、AIエージェント(エージェント型AI)の場合が「シャドーエージェント」である。

 Googleのクラウド事業部門であるGoogle Cloudは、2025年11月に発表した「Cybersecurity Forecast 2026」というレポートの中で、「2026年までに高度なAIエージェントが普及することで、『シャドーAI問題』はより深刻な 『シャドーエージェント問題』へと拡大する」と予測している。

 シャドーAIという言葉が出てきたばかりなのに、なぜ「シャドーエージェント」という別の概念でわざわざ警告しているのか。その理由は、いま生じている変化が、単なる使用されるツールの違いに留まらないからだ。