明暗分かれた「アパート経営」と「高配当株投資」
男性がリタイアする少し前から近隣に同じようなアパートが林立するようになり、ローンを半分も返し終わらないうちに目に見えて稼働率が下がってきた。
さらに、数年前にはくだんの有名大学がキャンパスの都心復帰を発表。実家周辺からは飲食店やコンビニ、遊戯施設などが姿を消した。
数室を障害者支援のNPO法人に破格の家賃で貸し出すなどしてローンの返済に充てているが焼け石に水で、アパート経営は赤字。年金額の“上乗せ”どころか“剥落”要因になっている。
70歳目前で体力の衰えを痛感したこともあり、年間20万円近い維持費のかかる大型バイクも手放した。「こんなことなら実家の土地は早めに売却し、そのお金で高配当株でも買っておけば良かった」と嘆くも後の祭りだ。
一方、その高配当株投資が功を奏したのが、東京都在住の67歳の男性だ。
男性は子どもの教育費負担がなくなったアベノミクスの頃から株式投資を本格化。新型コロナウイルスのパンデミックが発生する数年前には、米国の高配当株に資金を集中していた。
コロナショックの洗礼は浴びたものの、その後、米国市場は順調に推移。リタイア後の2年間は円安基調が続いていることから、年4回のドル建ての配当が大きな収入源になっている。
2025年は配当収入だけで100万円を超えた。インフレで生活費が高騰しており、この“不労所得”には大いに助けられている。
それだけに気になるのが米国市場の先行きだという。