どうやって“爺ちゃん銀行”を返上するか
上場企業で管理職を務めた男性は、40代後半以降、年収が1000万円を超えていた。いわゆる偏差値の高い大学の出身で、豊かな人生を送るには学歴が重要と考えている。38歳の一人息子は中学から地元の名門私立に通わせ、大学院まで学費を出した。
7年前に生まれた孫娘に対しても、同様に幼児教室の費用やピアノの購入代金を援助している。大事な初孫だけに入園・入学祝や毎年のお年玉も欠かせない。
息子はコロナ明けの2023年に自宅マンションを購入した。その際、贈与税の特例を使って1000万円を息子に贈与した。
年金額は同世代と比べれば多い方だが、妻は専業主婦だったため、世帯の年金収入は企業年金を含めても400万円に届かない。投資資産の比率が高いこともあるが、銀行口座に入れておいた退職金が減っていくのを見るのは精神衛生上もよろしくない。
今年の正月、息子一家は新車のアルファードに乗って年始の挨拶にやって来た。年末のボーナスが200万円を超えたという話を聞かされた男性の心中は複雑だった。
なぜなら、賃上げで潤う息子一家に対し、男性の年金額はほとんど上がっていないからだ。孫娘の教育費負担が本格化する前に“爺ちゃん銀行”を返上せねばと考え始めている。
九州出身の67歳の男性の家計を圧迫しているのは親戚付き合いだという。男性は7人兄弟の末子で、きょうだいの中で1人だけ地元を離れて都内で暮らしている。
甥姪だけで16人おり、40歳頃から定年までは毎年のように誰かの結婚式で帰省していた。姪孫(甥姪の子ども)が生まれれば祝い金を送り、正月に帰省した際には高校生までの子どもにお年玉を渡す必要がある。