政治家の倫理観欠如で損なわれる国民の信頼
しかし、言うは易く、だ。修正賦課方式とはいえ、過去に納付してきた国民に対して相当程度公平かつ公正であり、なおかつ納得感のある仕組みにスムースに移行するというのはそれほど簡単なことではない。これが社会保険を巡る問題解決の難しさである。
そのなかで、維新が看板政策として「社会保険改革」を掲げる一方で、自らの議員らがその制度の歪みを利用していたという疑惑が事実であれば、改革の担い手としての信頼性を大きく損ないかねないという矛盾した状況を生んでいる。
この問題は政権を事実上、支える維新の政治的影響力に打撃を与える可能性がある。維新は処分と再発防止策を約束したが、組織的関与の全容解明には至っていない。
今後求められるのは、透明性の高い説得力のある調査と説明、処分であろう。一般社団法人を利用した社会保険加入の要件を厳格化し、実態審査を強化する必要がある。
また同時に、広くフリーランスや自営業者の保険料負担の在り方について、抜本的な議論が求められる。働き方の多様化が叫ばれる時代だけになおさらだ。
結局、これもまた政治とカネの問題で年始早々ため息がでる。
政治とカネの問題は、日本政治の構造的課題として繰り返されてきた。政治資金問題、口利き問題、そして今回の国保逃れ問題は、いずれも政治家の倫理観の欠如が制度の信頼性を損なう事例である。その代償を払うのは社会保険制度を支える国民である。国保の収納率低下や制度への不信感の高まりは、最終的には制度の持続可能性を脅かすことに繋がりかねない。
維新はこの問題を真摯に受け止め、政治責任を果たすことが求められている。「身を切る改革」を掲げる政党が、自らの議員の保険料負担を「切って」いたのでは、説得力を持ち得ない。透明性の高い調査、適切な処分、そして再発防止策の徹底が求められる。
言うまでもないが、政治家には、制度の歪みの利用ではなく、制度そのものを改善する政治的リーダーシップと手腕が求められているはずだ。