2025年11月2日、全日本大学駅伝、7区を走る青学大の黒田朝日 写真/SportsPressJP/アフロ
(スポーツライター:酒井 政人)
5区黒田なら大きなアドバンテージ?
10000m平均タイムが高騰するなどハイレベルな戦いが予想されている第102回箱根駅伝。あのエースは何区に入るのか? 区間エントリーを直前に控えて、各校の指揮官だけでなく、ファンもドキドキしているだろう。
なかでも起用区間が注目されているのが3連覇を目指す青学大のエース・黒田朝日(4年)だ。過去2回は花の2区で大活躍したが、1年時は5区候補に挙げられていた。今回、「黒田は5区に来るのではないか?」と戦々恐々としている指揮官もいる。はたして青学大の絶対エースは2区なのか、それとも5区なのか。冷静に分析していきたい。
チームエントリーがあった12月10日の『トークバトル』でも黒田の区間が話題になった。
駒大・藤田敦史監督は、「黒田朝日は何区?」と青学大・原晋監督に直球の質問を行ったほどだ。
原監督は「朝日は早い段階で昇りますよね」と2区の起用をほのめかしたが、筆者は藤田監督に「黒田選手は2区と5区。どちらが嫌ですか?」と尋ねると、こう答えている。
「2区は極端な話、区間記録(1時間5分31秒)で走っても、1時間6分台前半でカバーできれば1分も開きません。でも5区を1時間8分台で走られたら大差をつけられるので、各大学、5区に来た方が嫌だと思いますね」
前回と同じようなコンディションだった場合、黒田は2区を1時間5分30~40秒前後で走るだろう。前回の区間10位は1時間6分55秒。その差は1分20秒前後となる。一方で5区(区間記録は1時間9分11秒)を1時間8分50秒~9分00秒前後で走破できれば、前回の区間10位(1時間12分18秒)と3分20秒ほどの大差になる計算だ。
中大・藤原正和駅伝監督も「5区黒田」を警戒していた。一方で、國學院大・前田康弘監督は黒田が2区に入ると読んで、チーム戦略を立てているようだった。