韓国人はなぜ「反中感情」が強いのか
韓国は日本とともに世界で「反中感情」が強い国の一つだ。
7月に発表された米国の世論調査機関ピュー・リサーチ・センターの「2025年中国に対するイメージ調査」によると、調査対象国24カ国の中国に対する好感度は前年比で5ポイント上昇し36%となったが、韓国は唯一中国に対する好感度が前年より低くなった国で、中国に好感を示したのは回答者の19%だけだった。これは13%の日本、18%のスウェーデンを上回るものの、最下位圏だ。
もう一つ注目すべきは、他の国では年齢が低いほど中国に対する「好感度」が上がるのに対し、韓国の場合は年齢が低いほど中国に対する「非好感度」が高いという点だ。
韓国の若年層でとりわけ反中感情が強い理由について、大学教授など多くの識者は、「青年世代の政治的保守化」を理由に挙げている。20代、30代の若者世代が政治的に保守化し、親米/反中性向が強くなったという分析だ。
最近、日本でも話題になっているようだが、韓国の若者による「反中集会」の参加者を見てみると、政治的に尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領を支持する若者層が主軸になっている。その点から見ても、識者らの分析は間違っていないと思われる。
昨年の12.3非常戒厳令を契機に、尹錫悦大統領に対する弾劾政局が始まると、保守支持者の間では「弾劾反対デモ」が本格的に始まり、保守性向の若年層も積極的に参加した。彼らの中で尹前大統領が戒厳の理由の一つとして主張した「不正選挙」を信じている。さらに不正選挙と弾劾の背後に中国政府がいると信じた一部支持者たちは、中国大使館がある明洞で集会を始め、その流れが今まで続いている。