ハンバーガーのセット(beauty_box/イメージマート)
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(増沢 隆太:東北大学特任教授、人事・経営コンサルタント)

 今年もいろいろなやらかし、そしてそれに伴う謝罪がありました。長年炎上事件や不祥事があるたびにコメントを求められ、とりわけ年末には「今年最も印象に残った謝罪は?」とか、「今年一番良かった/悪かった会見は?」などと聞かれる立場です。

 JBpressからのご依頼もいただきましたので、そうした取材に答える前に、思い切ってこちらから「2025年 やらかしと謝罪大賞」として、勝手に発表したいと思います。

 なお、決定に際しては、「選考委員長」兼「解説者」兼「苦情受付係」の私、増沢がすべて一人で進めさせていただきますことを御了承願います。

【マズかった謝罪・第3位】マクドナルド

 8月、マクドナルド恒例のハッピーセットキャンペーンでは、景品のポケモンカードがこれまで以上の注目と関心を集め、キャンペーン開始から店頭は大混乱となりました。

 子ども向けキャンペーン商品でありながら、それを入手して転売を企もうとするのか、大人たちがマクドナルドのお店にあふれたのでした。その結果、セットを買った人が捨てたとみられるハンバーガー類があちこち写真に収められ、SNSなどに投稿されたのでした。

ハッピーセットのポケモンカードの配布終了を告げる、マクドナルドの店舗に掲出された張り紙=8月12日、東京都港区(写真:共同通信社)

 繰り返しますが、ハッピーセットキャンペーンは本来、子ども向けのキャンペーンです。そのキャンペーンの景品が、転売ヤーとおぼしき大人たちの手に渡ったのではないか。それだけでなく、景品目当てで食べ物を捨てるなどの行為が横行したのではないか。

 こうした観点からマクドナルドは批判を集めました。事後に公式謝罪こそしましたが、それでも炎上状態となりました。それは何より、そうした行為が十二分に予見されたにもかかわらず、マクドナルドは何ら具体的な予防措置を講じていなかった点にあるように見えます。

 この一件を受け消費者庁は日本マクドナルドに対し、食品ロスにつながらない販売方法の改善など、再発防止策を講じることを要望しました。その後になって、マクドナルドは8月29日から予定していたハッピーセットキャンペーンの実施見送りを発表します。

 結果的に、「やっと事態の深刻さをわかったのか」と思わせる対処法になってしまいました。

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