やっぱりいない「ブルーカラービリオネア」
まず、どのような仕事に転職したかが以下である。
事務、管理、営業などの「ホワイトカラー(W)」、現場の肉体労働の「ブルーカラー(B)」、さらにはホワイトとブルーの中間であるサービス業やケア労働などの「グレーカラー(G)」にわけて、転職パターンを表の右端に示した。

一番多い転職パターンは「ホワイト→ホワイト」の転職だ。
「ホワイト→ブルー」に転職したのは「WEB会社の営業」から「インフラ系の点検員」になった1人だけ。しかも、この人の年収は転職後に100万円もダウンしていた。転職理由は「電話営業がイヤだったから」。年収を放棄してでも、仕事を辞めたかったようである。
これでは「華麗なるブルーカラービリオネアはいませんでした」で話が終わってしまうので、もう少し分析を続けてみよう。
注目したいのは「ブルー」や「グレー」の人たちも、みな「ホワイト」へ転職している点だ。
「ブルー」から「ホワイト」に転職した1人は20代。「物流の作業員」が「営業」に転職している。
さらに「グレー」から「ホワイト」に転職した人を見ると、「看護師」「保育士」「鉄道会社の駅係員」「スーパーマーケット勤務」など社会に不可欠なエッセンシャルワーカーが「コールセンター」や「事務」へ転職していた。