中国のステルス戦闘機の性能やいかに
中国の戦闘機のうち、最新型で自国開発機であるのは「J-10」戦闘機とステルス機だけだ。J-10はロシアのSu-27よりも性能が劣るとみられている。
中国は、これまで近代的な戦闘機を自力では開発してこなかったといってよい。その中国が、ステルス戦闘機だけはロシア製より優秀であると考えるのは、少々無理がありそうだ。
ロシアは近代的なステルス戦闘機を開発・製造してきた。そのロシア機に十分なステルス性能があるかどうか、ウクライナ戦争で疑問符がつけられている。
それは、ウクライナ戦争の重要な場面で使用されていないからである。
一方、中国のステルス戦闘機は、台湾や日本周辺でまだ確認されていない。「ステルス機が日本の周辺を飛行しても日本などには発見できなかっただけだ」と言う人もいるようだが、その根拠は怪しい。
これまでほとんど近代的な戦闘機を自力で製造してこなかった中国が、にわかにロシア製よりも優れたステルス戦闘機を開発・製造できているとは考えにくいからだ。
ロシアのステルス戦闘機にも性能の疑問符がついていることから推測すれば、まだ十分なステルス性能を備えていないと考えるのが順当だろう。
台湾有事における中国の戦闘機
中国軍の戦闘機が台湾の防空範囲には入れないとなれば、どのような航空作戦になるのだろうか。
台湾の防空範囲内に入って滑空弾攻撃を行おうとすれば、台湾の防空兵器から撃墜されてしまう。撃墜されないで滑空弾攻撃を行うとすれば、防空範囲外からの滑空弾攻撃を行うことになる。
その場合、射撃距離から予想すると、滑空弾は中間線までしか届かないとみられる。
図4 防空範囲外からの滑空弾攻撃(イメージ)
