台湾の防空兵器の射程内に入れない

 平時、中国は防空ミサイルから撃墜されないと分かっているときは、頻繁に中国・台湾間の中間線を越えて、台湾に接近して恫喝している。

 中国軍機は、「中国はいつでも台湾上空を飛行して爆撃ができる」と脅しをかけているわけだ。

 こうしたことから、軍事専門家ではない一般の方は、有事でも中国の戦闘機が台湾上空を自由に飛行できると予想する人がいるかもしれない。

 例えば、中国軍機は図2のような飛行を行い、台湾を爆撃するのではないかというものだ。

 もちろん、台湾に米国製の防空兵器が配備されていなければ、図2のようなことが当然起こりうる。

 しかし、防空兵器があれば、その様相は全く異なってくる。

図2 台湾に防空兵器がない場合の中国軍機の航空作戦(イメージ)


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 万が一台湾有事が発生して、台湾が防空体制を強化した場合には、台湾の防空射程圏内に入ってきた中国の戦闘機はミサイル攻撃を受け、その多くが撃墜されることになる。

 ウクライナ戦争でウクライナの防空兵器射程圏内にロシアの戦闘機が入れないのと同様、台湾の防空兵器射程圏内に中国の戦闘機は侵入できないとみてまず間違いがないだろう。

 したがって、台湾に防空兵器が配備されていれば、中国軍機は台湾に接近することができず、図3のような形になると考えられる。

図3 台湾の防空兵器の覆域と中国軍機の可能行動(イメージ)


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 青○は、台湾防空兵器の射撃範囲を示している。

 中国軍機は、ステルス性能高い戦闘機が中に入って攻撃できても、通常の戦闘機は点線矢印のように防空範囲に入ることができず、その近くまで行ったとしても反転するしかなくなる。