戦争はいつ終わる?ロシアに対峙する日本のスタンスは
マライ:現在のウクライナ戦争の行方にも関わってくるかと思いますが、日本や世界は今後ロシアとどう向き合うべきなのでしょうか。
小泉:財政能力や予備の兵器の残りなどから判断して、今の規模と烈度でロシアが戦争を続けられるのは1~2年程度だろうと思っています。ただ、規模を落とせばさらに長期化する可能性もあります。2020年代いっぱいは緊張状態が続く前提で考えないといけないでしょう。
その上で、ロシア産の安いガスを取ろうと手打ちするのか、あるいは国際秩序を守ろうという立場を取るのか、そのせめぎ合いの中で各国のスタンスが決まっていくと思います。安全保障を考える立場からすると、安いエネルギーよりも国際秩序を維持することの方がはるかに重要です。
ロシア人やロシアという国が嫌いなわけではありませんが、今の戦争が続く限り、ロシアへの制裁の維持とウクライナ支援は必要であり、その上で日本としても対露抑止力を持つべきだと考えています。
マライ:日本もドイツもロシアと物理的にも近く、貿易関係を完全に断つのは現実的ではありません。今こそ、どう向き合うかを冷静に考えていくべきだと思います。