YouTubeでご覧ください。チャンネル登録もお願いします!
目次

参院選で「日本人ファースト」を掲げる参政党が存在感を強めました。日本で長年取材する英米ジャーナリストに今の日本はどう映るのか。彼らは日本における排外主義や陰謀論の広がりに危機感を示しています。イギリス出身でロイター通信上級特派員のティム・ケリー氏と米国出身で調査報道記者のジェイク・エーデルスタイン氏に、ドイツ出身で長年日本に暮らしてきた著述家のマライ・メントライン氏が話を聞きました。3回に分けてお届けします。

※JBpressのYouTube番組「マライ・メントラインの世界はどうなる」での対談内容の一部を書き起こしたものです。詳細はYouTubeでご覧ください(収録日:2025年8月29日)

「日本人ファースト」の波、欧米の後追い

マライ・メントライン氏(以下:敬称略):参院選では「日本人ファースト」が話題になりましたが、この現象をどうみていますか。

ジェイク・エーデルスタイン氏(Jake Adelstein、以下:敬称略):かつて「在特会(在日特権を許さない市民の会)」という団体が、日本の経済問題を韓国人や在日韓国人のせいにする陰謀説で人気を集めたことがありました。今も、似たような現象だと思います。今回(参政党現象)は在日韓国人に限らず、外国人全体を問題視し、さらに陰謀論や健康志向を組み合わせているのが特徴です。 

ティム・ケリー(Tim Kelly、以下:敬称略):欧米でも似たような現象が起きてきたので、今の日本の現象には驚きません。日本の在留外国人は総人口の約3%で、これは欧米諸国が1950〜60年代に経験した水準です。その後60年代後半から欧米で「反移民」を訴える人が広がった経緯を踏まえると、日本も同じ流れにあると言えるでしょう。

 日本が特徴的なのは、観光客と移民のどちらも「外国人」として一括りになっていること。日本は鎖国時代の気持ちが残っていると感じます。