ドジャースの大谷翔平(写真:Imagn/ロイター/アフロ)
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 侍ジャパンのユニホームをまとった背番号17が、再び世界の前に立つ。来年3月の第6回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)開幕まで残り100日となった節目の11月24日(日本時間25日)、ドジャースの大谷翔平が自身のインスタグラムで日本代表としての出場を電撃表明した。

 前回大会の写真を添え「日本を代表して再びプレーできることを嬉しく思う」と日本語でつづった一文は、日本のみならず米球界全体に大きな反響を呼んでいる。

MLBでもWBCでも世界一を目指す

 来季はドジャースでの二刀流完全復活、球団としてはワールドシリーズ3連覇が現実的な目標として掲げられる中で、WBC出場は本来ならば調整面のリスク要因でもある。ドジャース側は当初、日本人3投手の出場に慎重な姿勢をにじませてきたとされ、大谷自身もMVP受賞後の取材では「球団とどうなるかという連絡を待っている」と含みを持たせていた。

 それでも最終的に本人は「選ばれれば光栄」と繰り返してきた言葉通り、紆余曲折を経て出場の意思を貫いた格好だ。起用法は今後、ドジャースと侍ジャパン首脳陣との協議に委ねられる見通しだが“世界一の二刀流”が再び国際舞台に立つシナリオは、こうして正式に動き出した。

2023年3月21日、マイアミで開催されたWBC決勝戦でアメリカ代表に勝利し、日本代表のチームメイトたちとともに喜びを爆発させる大谷翔平選手(写真:AP/アフロ)

 もっとも、大谷を巡る「せめぎ合い」はグラウンド上だけにとどまらない。ストーブリーグに突入した米球界で今、静かに論争の俎上に載せられているのはプレーそのものではなく、大谷がドジャースと結んだ10年総額7億ドルという“史上最大の後払い契約”だ。