「名球会」同様、投手の分業化に伴って、先発投手だけでなく救援投手の成績も重視されるようになった。また投手は、2008年の山本昌を最後に200勝投手が出ていないこともあり、MLBに移籍した投手も表彰対象となり、2014年には野茂英雄(日米通算201勝)、佐々木主浩(日米通算381セーブ)が殿堂入りした。
なお200勝以上の投手では、江夏豊(206勝)だけが殿堂入りしていない。理由は明らかにされていないが、引退後の1993年に覚醒剤取締法違反(所持・使用)で逮捕され有罪判決を受けて服役したことで、殿堂入り表彰の資格を失ったと考えられている。
「2000本安打」達成だけでは叶わなくなった殿堂入り
今では2000安打を打つだけでは「殿堂入り」は、ほとんど不可能になっている。
2025年オフの時点で、NPB単独で2000安打を記録した選手は56人いるが、このうち31人は殿堂入りしていない(選考年限未満、現役選手を含む)。
最近の打者は「名球会」という明確な目標もあるので「2000安打まで現役」を目指す選手も多い。球団や指導者もこれに協力的だ。また21世紀以降、シーズン試合数が130試合から140試合以上になったこともあり、2000安打のハードルは下がったといえる。
しかし2000安打に加え、MVPや複数の打撃タイトルを獲得した選手でも、殿堂入りしていない選手が多数いる。以下に名を挙げてみよう。カッコ内は実働期間だ。
土井正博/2452安打(1961-1981)
本塁打王1回、最多安打2回
石井琢朗/2432安打(1989-2012)
盗塁王4回、最多安打2回
大島康徳/2204安打(1971-1994)
本塁打王1回、最多安打1回
新井貴浩/2203安打(1999-2018)
MVP1回、本塁打王1回、打点王1回
稲葉篤紀/2167安打(1995-2014)
首位打者1回、最多安打1回
小笠原道大/2120安打(1997-2015)
MVP2回、首位打者2回、本塁打王1回、打点王1回、最多安打2回
中村紀洋/2101安打(1992-2014)
本塁打王1回、打点王2回
松原誠/2095安打(1962-1981)
最多安打2回
松井稼頭央/2090安打(1994-2018)
MVP1回、盗塁王3回、最多安打2回
藤田平/2064安打(1966-1984)
首位打者1回、最多安打1回
谷沢健一/2062安打(1970-1986)
首位打者2回、最多安打1回
加藤秀司/2055安打(1969-1987)
MVP1回、打点王3回、首位打者1回、最多安打1回
和田一浩/2050安打(1997-2015)
MVP1回、首位打者1回、最多安打1回
小久保裕紀/2041安打(1994-2012)
本塁打王1回、打点王1回
新井宏昌/2038安打(1975-1992)
首位打者1回、最多安打1回
野村謙二郎/2020安打(1989-2005)
盗塁王3回、最多安打3回
柴田勲/2018安打(1962-1981)
盗塁王6回
最多安打は1994年にイチローが210安打を記録して以降、タイトルになったが、それ以前は注目されなかった。だが、リーグで一番安打を打った記録は遡ってでも評価すべきだろう。
この中でもMVP2回の小笠原の記録は傑出している。2021年からプレーヤー表彰の候補になっているが、昨年の得票は8.8%に過ぎなかった。