野球殿堂と名球会

 1978年「日本プロ野球名球会」が創設される。金田正一など戦後に活躍した大選手が発起人となり、野球普及、社会貢献をする団体だが、入会資格は、昭和生まれで、投手は通算200勝、打者は2000安打が入会基準となっている。

 この団体はNPBとは関係ないが、プロ野球選手にとって「名球会入り」は「野球殿堂」に準じた「目標」「ステイタス」になっている。

 こちらは「200勝」「2000安打」と明確なラインが設定されている。今では2000安打を打った打者に「名球会入りおめでとうございます」と言うのが慣例になっている。

 なお「名球会」には、昭和より前に生まれた選手は含まれない。打者では川上哲治(2351安打)、投手では別所毅彦(310勝)、スタルヒン(303勝)、若林忠志(237勝)、杉下茂(215勝)、中尾碩志(209勝)、藤本英雄(200勝)は名球会会員ではない(現在はすべて故人)。

 2003年、投手の先発、救援の分業化と日本人選手のMLB挑戦が増えたことに対応して「名球会」の入会基準に「250セーブ」と「日米通算」が追加された。

 さらに2019年、入会資格を満たしていない選手を理事会の賛成を得て入会させることができる「特例枠」が設けられ、上原浩治(日米通算134勝128セーブ)、藤川球児(日米通算61勝245セーブ)が入会した。

 ただし「名球会」の入会は「任意」であり、落合博満(2371安打)のように入会していない野球人、退会者もいる。